ガザ地区ってどんな場所?問題や争いの原因を簡単に解説

ここ数年、イスラエルとハマスの軍事衝突や大規模攻撃などの言葉と共に、連日ニュースで話題になっている「ガザ地区」。長く争いが続いていることは知っているものの、詳しい原因やガザの現状はよくわからないという方も多いはずです。
そこで今回は、ガザ地区が抱える問題や争いの原因、そこに住む人々の生活についてわかりやすく解説。この記事を読めば、パレスチナ問題や中東の現状をより深く理解することができます。
ガザ地区ってどんな場所?地理や人種を簡単解説
まずはガザ地区の地理やそこに住む人々、昨今の現状について簡単に解説します。
ガザ地区はどこにある?
ガザ地区は、中東のイスラエル・エジプト・地中海に挟まれた場所に位置します。南北約50km・東西約10kmと細長い形状で、面積は365㎢(東京23区の6割ほど)。中心都市のガザに由来してガザ地区と呼ばれています。ヨルダン川西岸地区とガザ地区の2つのエリアを「パレスチナ自治区」と言います。
ガザ地区にはどんな人が住んでいる?
ガザ地区には、主にイスラム教(スンニ派)のアラブ人が多く住んでいます。人口の約7割が第一次中東戦争(1948年)によりパレスチナ難民となった人々やその子孫で、平均年齢(中央値)18歳。人口の約4.5割を14歳以下の子どもが占めています。
狭い地区に約222万人(2023年時点)の人々が生活し、その人口密度は東京都に匹敵(約6千人/㎢)。特にガザ市内の人口密度は約5万人/㎢にのぼると言われ、世界のなかでも最も人口密度の高い地域の1つとなっています。
ガザ地区はどんな状況?
ガザ地区ではオスロ合意(1993年)以降、ヨルダン川西岸地区と共にパレスチナ自治政府(PA)が自治を行うことが決定。しかし、周囲はイスラエルに包囲され軍事封鎖された状態が続いています。
特にアラファト(パレスチナ解放機構:PLO)議長が亡くなった2004年以降、パレスチナにイスラム組織「ハマス」が台頭すると、イスラエルとの紛争が再び激化。イスラエルは自国をハマスのテロ行為から守る名目で、ガザ地区を壁やフェンスで完全包囲し、物資や人の移動を厳しく制限します。その様子から、ガザ地区は「天井のない監獄」と呼ばれています。
イスラエルによって長年封鎖状態にあるガザ地区では、以下のような問題が慢性化していました。
- 燃料不足による停電
- 物資不足による食料・医薬品・建材不足
- 上下水道の不備による水問題
- 経済停滞による失業率増加
- 若者の自殺増加
このような状況の中、2023年10月にはハマスがイスラエルに大規模攻撃を開始。ガザ地区から何千もの戦闘員がイスラエル領内へ侵入し、1,300人以上を殺害、200人近い兵士や民間人を拉致します。この攻撃を受けて、イスラエル軍はハマスの壊滅と人質解放を掲げてガザ地区に激しい空爆を開始。ガザ地区を完全封鎖し、食料・水・燃料などの供給を遮断します。
2023年の戦闘開始以降、ガザ地区の死者は5万人を越え(うち1万6千人以上の子どもを含む)、学校や病院を含む約6割の建物が破壊されました。2025年1月から6週間の停戦期間が過ぎた現在ではイスラエルの攻撃が再開され、さらなる被害が出ています。
ガザ地区で争いが起こる原因とは
ガザ地区での一連の争いは「パレスチナ問題」と言われ、その原因は2000年前以上から続く領土問題・宗教的対立・政治的対立が複雑に絡み合っています。
領土問題
もともとパレスチナとは、地中海の東沿岸地域(レバノン・シリア・ヨルダン・エジプトに囲まれた地域)一帯を指し、2000年以上前にはユダヤ人の国がありました。しかし西暦70年にローマ帝国に滅ぼされ、国をなくしたユダヤ人は各地に離散。その後ユダヤ人は、キリスト教との対立やナチスドイツによるホロコーストによって差別・迫害を受けながらも、自分たちの国家を再建する運動(シオニズム運動)を続けていきます。
第二次世界大戦後、国連によるパレスチナ分割決議(1947年)により、パレスチナを二分割することが決定。ユダヤ人は建国を実現し、およそ2000年ぶりにパレスチナの地を取り戻すことに成功します。その一方で、今度は長い間パレスチナで生活してきたアラブ人(パレスチナ人)が土地を追われ、アラブ周辺諸国を巻き込んだ中東戦争(1948年~1973年)に発展。中東戦争ではイスラエルが圧勝し、さらに多くの土地を占領していきます。
その後、オスロ合意(1993年)によりパレスチナ自治区が認められたものの、現在でもパレスチナをめぐる民族間の争いが続いているのです。
宗教的対立
パレスチナには、キリスト教・イスラム教・ユダヤ教の聖地であるエルサレムが存在し、旧市街にはユダヤ教の聖地「嘆きの壁」・キリスト教の聖地「聖墳墓教会」・イスラム教の聖地「岩のドーム」が共存しています。
そのため、エルサレムを巡る争いは宗教的な面でも妥協できず、和平のたびに「この土地はどの国が管理するのか」が最大の難問となっています。また、和平が進むたびに各宗教の過激派が活動を激化し、パレスチナ問題の解決を遠のかせているのです。
政治的対立
パレスチナ自治区では、2006年の議会選挙でイスラエルの破壊を目標に掲げる武装組織ハマスが過半数の議席を獲得。それ以降、両国の関係はさらに悪化しました。2018年から政権不安定な状況が続いていたイスラエルでも、2022年には極右政党が支持を急拡大し、ユダヤ至上主義を掲げるネタニヤフ政権(第六次)が誕生。両国は現在、政治的にも最悪の状況下にあると言えます。
それに加え、アメリカ・ロシア・イギリスなどの大国やアラブ諸国が自国の石油利権や政権維持などの思惑を持ってパレスチナ問題に介入し、武器や資金を提供することも。このように、パレスチナ問題の解決が難しい原因には、両国間、ひいては世界的な政治背景も深く関係しているのです。
ガザ地区で苦しむような人を支援するには
争いが続くガザ地区では、現在でもイスラエルによる封鎖状態が続いており、人々は慢性的な燃料・物資・水不足に苦しんでいます。さらに、度重なる大規模攻撃により病院・学校・工場などが破壊され、狭い地域に多くの人々が密集。8割以上の人々が国際支援を必要としています。
このような人々を支援するには、お金を寄付する以外にも、物資を寄付する・安全な水を届けるなどの方法があります。そのような活動を行っているのが、「もったいない運送」です。
もったいない運送は不用品の寄付サービスで、いただいた寄付品を販売し、得た売り上げの一部で途上国に水浄化剤を寄付しています(1回のご依頼で1,000L、またはSNSシェアで100Lの水をキレイにすることが可能)。また、回収した不用品は修理・販売し有効活用されるため、次のような4つの社会貢献にもつながります。
もったいない運送では、家電製品や金属製品のほか洋服・おもちゃ・キッチン用品・日用品など多くの不用品をまとめて(軽トラック1台分)寄付することができます。
※寄付できるものについてはこちらからご確認ください。
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この記事を読んで、ガザ地区で苦しむような人々を支援したいと感じた方は、ぜひ一度もったいない運送をお試しください。
